ここ最近新NISAの普及やインフレによって、投資の必要性が増してきています。
投資と言って思い浮かぶのは、株式投資の他に不動産投資が挙げられます。
その中で今話題になってきているのが、「みんなで大家さん」の配当停止報道です。
高い利回りと手軽さから近年人気を集めていましたが、最近は不穏な状況にあります。
今回はみんなで大家さんに関する状況を見ていくと共に、不動産投資の難しさについて考えていこうと思います。
みんなで大家さんとは何か
まずみんなで大家さんとはどういったものかについて見ておこうと思います。
みんなで大家さんとは、個人投資家向けの不動産投資商品を提供するサービスです。
通常の不動産投資は物件や土地を購入するのに多額の資金が必要であり、また物件の場合は修繕管理費や固定資産税など維持するのにも費用が掛かるというデメリットがあります。
一方でみんなで大家さんの場合、特定の不動産を複数人から集めた出資金で購入し、運用していく方法を採用しています。
複数人で出資することで1人あたりの投資金額が最低100万円から手軽に始められ、また運用利回り(出資者に還元される分配金)も比較的高いことから人気を集めました。
2024年
そんななかで、2024年に東京と大阪で不動産特定共同事業法(不特法)違反に基づく行政処分を受けました。
このとき最初に行政処分を公表されてから24時間以内に、400人以上の人が解約申し入れを行ったようです。
しかし同年に行政処分が解除されてから日が経っていないにもかかわらず、ロンドン株式市場への上場承認を得ました。
行政処分や解約請求などのトラブルが後を絶たない状況でしたが、上場することで資金調達をする目的があったものだと思われます。
2025年
今年に入ってからも返金に関する説明を投資家に向けて行っていなかったり、成田プロジェクトの売却遅延といったトラブルが発生していました。
そんな中で7月には先述の成田プロジェクトで配当遅延トラブルが発覚しました。
配当遅延のトラブルは現在でも続いており、その他の商品も含めて27商品で配当の遅れが出ているとのことです。

出資者側の集団訴訟の人数も増えており1000人規模になっていることから、今後もトラブルが拡大していくものと思われます。
みんなで大家さんの問題点
なぜこのように被害が拡大していったのか、個人的な考察をしていこうと思います。
問題点①:高利回り
投資の世界では常識と言われていますが、高利回りを求めれば必然的にハイリスク・ハイリターンになります。
ただこの問題の厄介なところは近年増えている投資詐欺と異なり、7~10%と現実的な数字に見えるという点です。
投資商品が異なるので単純な比較にはなりませんが、全世界の株式に投資するインデックス投資の代表格、オールカントリー(通称オルカン)の期待利回りは長期投資であれば年7%と言われています。
また株式と似たような動きを取る不動産投資、J-REIT(不動産投資信託)の直近リターンは約5%であるため、期待利回りが高いことが分かります。
これがすぐに獲得できる可能性があると言われると、投資したくなる人もいるのでしょう。
問題点②:集中投資である
先述したJ-REITは複数の投資家から集めた資金を基にオフィスビルやマンションを購入して運用するという点では似ていますが、基本的に複数のビルを所有していることが多いです。
それに対してみんなで大家さんは1つの商品に集中的に投資することになります。
みんなで大家さんの商品を複数購入すれば、分散投資になるのではないかと思われるかもしれませんが、1つの運用会社に任せているという点で集中投資であることには変わりありません。
ここがみんなで大家さんの問題点の一つだと考えています。
問題点③:最低投資金額が高い
最後に最低投資金額が高い点です。
不動産投資の世界では基本的に数千万円の世界なので、100万円と聞くと安いと思われがちですが、それでも世間一般で見れば高額です。
しかも100万円は一般の人でも頑張れば集めることが出来る金額であるため、先ほどの高利回りに魅力を感じて投資をしてしまう人がいたのではないかと考えています。
確立された投資手法以外に手を出さない
ここまでみんなで大家さんの実態について見てきましたが、改めて感じたことはこうした新しい投資手法には手を出さないほうが良いと改めて実感しました。
最近ではAIを活用した投資が流行ってきていますが、あまり信用できないと思っています。AIのように自身の意思決定が反映できない投資手法は、基本的に手を出さないほうが良いと個人的に考えます。
特に不動産投資は株式投資以上に難しく、物件や商品選択を誤ると致命的な負債を抱え込むリスクがあるので、自分も含め投資初心者は手を出さないほうが無難でしょう。
どうしても不動産が気になる方は、J-REITのような不動産投資信託を小額から始めてみることをお勧めします。
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