2025年10月に、WebエンジニアやレトロPCを扱う人の間でちょっとした話題がありました。
それは俳優の阿部寛さん(以後敬称略)の公式HPである、「阿部寛のホームページ」が遂にHTTPS化に対応したという内容です。

なぜ話題になっているのか、Webをかじったことのある私の目線から解説します。
HTTPとHTTPSの違いは何?
そもそもHTTPとは何でしょうか?
HTTPとはHypertext Transfer Protocolの略であり、WebサーバーとWebブラウザとの間で情報をやり取りするための規則のことを指します。
このHTTPは平成初期の頃に開発され、最初のWebページが公開された時から使用されてきました。
一方でHTTPSは、HTTPまで同じですが、末尾にSecure(安全)のSが付いています。
これは情報のやり取りが暗号化されていることを意味し、データを盗み見られたりするリスクが低くなりました。
例えるならHTTPは鍵のない自由に出入りできるドア、HTTPSは特定の人しか開けることのできない鍵付きのドアというとイメージしやすいかと思います。
HTTPSは1994年に初めて登場し、2014年にGoogleがHTTPSサイトを検索結果のランキングで優遇することを発表して以来、HTTPSのサイトが標準化されるようになりました。
現在では試しにHTTPのままのサイトに飛ぼうとすると、以下のように警告が出てきます。

このまま進むと接続情報が見られたり、改ざんされる可能性がありますので、こういったサイトは極力見ないようにしましょう。
HTTPS化はホストのニフティがHTTPSに標準対応したため
「阿部寛のホームページ」がHTTPSになったのは、サイトのホスティングをしている「ニフティ」という会社が、今年の10月1日から提供している全プランがHTTPSに標準対応するようになったからです。
その影響でHTTPSになったというのが、今回起きている話題の流れです。
現在は併用期間とのことで「http://」でもアクセスができますが、2026年7月以降は自動で「https://」にリダイレクトされるようになります。
阿部寛のホームページの魅力について
では内容としてはそこまで大したものではないのにもかかわらず、なぜ話題になっているのか。
それは「阿部寛のホームページ」には魅力があるからです。
「阿部寛のホームページ」の魅力その1:シンプルイズザベスト
HPを見てもらうと分かるのですが、今ではもはや常識となったスライドする画像やポップアップといった動的なものが一切ありません。
それどころか阿部寛の顔写真以外、画像や動画といった容量の大きいデータもありません。
昔は送受信できるデータ量にも限度があったので、いわゆる静的なページがメインでした。
しかし現在では通信速度の向上やデバイスの進化により、多くの情報がやり取りできるようになりました。
それでもサイトの見た目を開設当初からほとんど変えていないのは、ある種のこだわりを感じます。
現代人は江戸時代の人の一年分、平安時代の人の一生分もの情報を一日で触れていると言われています。
そんな時代に要らない情報を一切そぎ落とした「阿部寛のホームページ」は、個人的に好感を抱きます。
「阿部寛のホームページ」の魅力その②:Webサイトの基礎を学べる
Webエンジニアとして携わる人は、一度は「阿部寛のホームページ」を訪れたことがあるのではないでしょうか?
私もその一人でした。
なぜかというと、Webサイトがどのように構成されているかを学ぶのに最適な教材であるからです。
Webサイトは基本的にHTMLとCSSというものを最初に学習するのですが、「阿部寛のホームページ」はHTMLとCSSの基礎的な部分で構成されているので、初学者にとって理解しやすいのです。
もしWebエンジニアを目指す人がいましたら、まずは「阿部寛のホームページ」を教材とすることをおすすめします。
HTTPS化で困る人たちも
一方でHTTPS化したことで、少し困る人も中にはいます。
それはレトロPCやゲーム機の接続確認に使う人たちです。
「阿部寛のホームページ」は最低限のコードで書かれているため、スペックの低いレトロPCやゲーム機のネット接続を確認するために最適なサイトだったのです。
ですが今回のHTTPS化により、その動作確認が難しくなってしまったことを残念がっているようです。
サイトを開設するなら、HTTPS化は必須
これからサイトを開設しようと思っている方は、HTTPS化を忘れないようにしてください。
特にこのようなブログを開設したての頃は、HTTPのままになっていたりすることもあります。
幸いにもHTTPS化するための情報は現在無数に転がっているので、情報を探す力を鍛えるという意味でいろいろと調べてみてはいかがでしょうか?


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